スマホ、パソコンに一日中向き合って疲れがたまったり、加齢で目の衰えが気になったりと、目のお悩みごとは今や全国民的な課題になっていますね。
そのお悩みを解決する糸口は、とても身近なところにあります。それは、お庭や街に咲くマリーゴールドの花の黄色色素【ルテイン】です。【ルテイン】の存在は既に広く知られていますが、その栄養素としての貴重さと重要性については、まだまだ知られていない部分が多いのです。
栄養素【ルテイン】の驚くべき実力と、黄色のアクセントが楽しいマリーゴールド料理のレシピなどを深掘りしてみましょう!
【ルテイン】は目で光を感じる部分にあるが、これを体内で作ることはできない
ヒトの目の中で、光を知覚するところを「黄斑部(おうはんぶ)」といいます。また、光を集めるレンズの役割をするところを「水晶体(すいしょうたい)」といいます。
この「黄斑部」と「水晶体」の両方に黄色の栄養素【ルテイン】が存在して、とても重要な役割を果たしています。
光は私たちがモノを見て認識するために必要なものですが、その反面、細胞を酸化させる作用を持っています。【ルテイン】は、こういった酸化による目の細胞の劣化を防ぐのです。
私たちのカラダの中には、元々【ルテイン】がストックされています。網膜の黄斑部や水晶体の他には、乳房や子宮頸部、肌に多く存在します。しかし、【ルテイン】は体内で生成することが出来ず、40歳頃から活性酸素の飽和による減少傾向が目立つようになります。
体内にストックされた【ルテイン】が加齢により減少すると、減少した各部にいろいろな問題が出てきます。
「目がかすむ」「ピントが合いにくい」「疲れやすい」「飛蚊症」など、目のお悩みはこの年齢から増えますが、最近はスマホ・パソコンの多用により目のお悩みの若年化が進んでいます。
また、眼病のひとつに、モノがゆがんで見える「加齢黄斑変性症」という病気がありますが、アメリカのハーバード大学の研究がきっかけとなり、【ルテイン】を摂取した人は、この病気の発症リスクが軽減されるという発表がされています。
母乳の初乳が黄色いのは、【ルテイン】をたっぷり含むから
普段は体内で作ることができない【ルテイン】ですが、唯一、作ることができるようになる時があります。それは、女性が妊娠して子供を産むときです。
産後、母乳の初乳が黄色いのは、妊娠時における新生児の形成に続いて、新生児の発育においても【ルテイン】が必要な栄養分であるからです。【ルテイン】は、幼児の脳に取り込まれて脳の発達を守ります。【ルテイン】は学習や記憶にとって重要な神経基質にも多く存在して、母乳中のルテイン量が多いと6か月児の認知記憶能力にとって良い影響を与える、という研究報告があります。
また、アルツハイマー患者は健常者に比べて【ルテイン】の摂取量が少ない、という報告もあります。
【ルテイン】は目の網膜の黄斑部や水晶体などに存在しますが、目の酷使や加齢によって減少しますので、食事やサプリメントで補う必要があります。
それでは、その【ルテイン】を含んだマリーゴールドの花びらを利用した簡単お料理のレシピを、ご紹介しましょう。
サフランの代用品としても利用される、マリーゴールドのお料理にトライ!
マリーゴールドには、メキシコ原産で観賞用の「フレンチ マリーゴールド」と、地中海原産で医療用の「ポット マリーゴールド(カレンデュラ、きんせんか)」があります。
街でよく見かけるのは「フレンチ マリーゴールド」の方です。除虫の働きをする程の、独特の臭気を持ちますので、こちらのマリーゴールドを食用にするのは困難です。
「ポット マリーゴールド」の方は、メディカルハーブ(薬用と食用)としてヨーロッパで古くから利用されてきました。サフランの代わりや着色料として、また髪を染めるためにも使われてきました。今回のお料理レシピでは、こちらを使用します。
※写真はイメージです。
<マリーゴールド・ピラフ>
材料(2人分)=米 2合、 マリーゴールド 大さじ2、 グリーンピース 100g、 鶏肉 150~200g、 オリーブオイル 大さじ1、 鶏ガラスープ もしくはコンソメ顆粒 小さじ1~2、 塩こしょう 適量
① お鍋に360ccの水でお湯を沸かし、マリーゴールドを入れて蓋をして10分間蒸らす。
② 米を研いだらザルに入れて、水気を切る。
③ 鶏肉は1.5cm角に切っておく。
④ 深めのフライパンか厚手の鍋にオリーブオイルを入れて中火で熱し、鶏肉を炒める。色が変わったら、米を入れて炒めて、グリーンピースを加える。
⑤ マリーゴールドの花弁が入ったお湯を入れて、鶏ガラスープ もしくはコンソメ顆粒、塩こしょうを加えて、蓋をして中火で加熱する。
⑥ 沸騰したら、さらに中火で10分加熱し、その後、強火にして10秒おいてから火を止める。蓋をしたまま10分蒸らして、最後に底の方から全体を混ぜる。
黄色いアクセントが散りばめられ、【ルテイン】の栄養をほのかに感じる<マリーゴールド・ピラフ>の完成です!
この他には「白身魚のソテーにマリーゴールドの花を散らすプレート」が、代表的な「マリーゴールド料理」としてあげられます。
緑黄色野菜でも【ルテイン】の摂取が出来ます。
野菜100g中に含まれる【ルテイン】の量は、①ケール 21.9mg、②赤しそ 14.3mg、
③モロヘイヤ 13.6mg、④よもぎ 11.3mg、
⑤ほうれん草 10.2mg、⑥パセリ 10.0mg、⑦ペパーミント 8.5mg、⑧バジル 8.1mg、⑨小松菜 7.6mg、
⑩ルッコラ 5.8mg、⑪せり 5.8mg、⑫チンゲン菜 5.5mg、⑬えんどう豆 5.4mg、⑭クレソン 5.1mg、⑮大根の葉 4.7mg、⑯グリーンピース 1.7mg、⑰オレンジ色のパプリカ 1.6mg、⑱かぼちゃ 1.5mg、⑲ブロッコリー 1.1mg、⑳とうもろこし 0.8mg、㉑人参 0.2mgです。
【ルテイン】は脂溶性なので、脂肪分といっしょに食べたり、食後に摂取すると、吸収効果が高まります。
1日に必要な摂取量は6~10mgと言われますが、目を酷使する方や高齢の方、既に眼病などでお悩みの方は1日に10~20mgの摂取をオススメします。
野菜の種類によって【ルテイン】の含有量がかなり違いますので、よく把握しておいて毎日の献立を工夫する必要があります。サプリメントを利用することも、賢いやり方です。
【ルテイン】を摂取して、日常的に目のケアを続けましょう!
【ルテイン】は目にとても大切な、価値ある栄養素ですが、多くの食材に含まれていますので、意識すれば摂取すること自体は難しくありません。
【ルテイン】を意識して摂取する生活を続けるかどうかは、長い年月の間に大きな差となって現れてきそうです。
目のことを考えた【ルテイン】視点の緑黄色野菜生活を、今日から始めませんか?