ストレスから、胃がぎゅうっと痛くなったり、食欲がなくなったり、そんな経験をしたことはありませんか?
私は人前で発言する時や、夏バテで気温変化についていけない時など、胃が痛くなったり、食欲が無くなったりすることがよくあります・・・。
実はストレスを感じる「脳」と、消化器官である「腸」にはとても密接な関係があるんです。
今回は、最近話題の「脳腸相関」についてご紹介します。
「脳腸相関」とは?ストレスと胃腸の密接な関係
脳にストレスがかかるとお腹が痛くなったり、胃もたれしたり・・・
実は、その逆もあるんです。
お腹の調子が悪いと不安になったり気分が落ち込んだりすることが、様々な研究で明らかになってきています。
脳のストレスがお腹の不調に影響したり、
お腹の不調が脳のストレスに影響したり・・・
そんな脳と腸の密接な関係を医学的に「脳腸相関」と呼んでいます。
そのため、医学の分野では胃腸(消化器官)の不調が続くことを「機能性消化管疾患」として様々な研究がされています。
少し難しい言葉ですが、簡単に言うと「胃腸(消化器官)の不調で自分の生活に影響がある」状態です。
そんな「機能性消化管疾患」には、様々な種類があります。
機能性消化管疾患はどんなものがある?
調査では10人に1人以上の割合でいると言われているくらい身近な存在の「機能性消化管疾患」について、代表的な2つを紹介します。
・過敏性腸症候群(IBS)
お腹が痛くなったり、調子が悪くなったり、それと同時に便秘や下痢などのお通じの異常が数カ月以上続く病態です。男性より女性に多いと言われています。
・機能性ディスペプシア(FD)
胃がもたれたり、お腹が痛く(みぞおちが痛く)なっても、胃がんや胃潰瘍など、はっきりとした病気が見つからない、かつ糖尿病や脂質異常症などの病気でもない時の病態です。
どちらもストレスによって症状が出たり、胃腸が弱っているとなりやすいと言われています。
特に過敏性腸症候群は、ライフスタイルの見直しが改善の第一歩です。
ただし、お薬が必要な状態や、違う病気が隠れていることもあるので、つらいと感じたら病院の受診をおすすめします。
このように胃腸とストレスは密接な関係がありますが、
同時に幸せホルモンと言われる「セロトニン」にも腸と関係があるんです。
腸と幸せホルモン「セロトニン」の関係性
「幸せホルモン」と言われている「セロトニン」は心の健康には必要不可欠な神経伝達物質です。
「セロトニン」は十分に脳に行きわたっていると、前向きな気持ちになり、精神を安定させたり、頭の回転がよくなったりします。
逆に不足すると、攻撃的になったり、不安やうつなどの精神症状を引き起こしたりすると言われています。
そんな人にとって必要不可欠な「セロトニン」は腸で作られます。
「セロトニン」の90%が腸に、残りの8%は血液に、さらに残りのたった2%が脳に存在します。
セロトニンを作っている腸内環境を整えることが、精神を整えることにも繋がるんです。
まとめ
腸と心の健康は、密接に関わりあっています。
胃腸に負担をかけると心にも負担になってしまいます。
今一度自分のライフスタイルを見直して、胃腸と自分にやさしい生活を心がけてみてはいかがでしょうか。