現在、コロナウイルスの関係で健康に気を使っている方も多いのではないでしょうか?
コロナウイルスに感染しないためにも、免疫力を上げることでウイルスをと戦う身体作りを行うことができます。
そこで今回は免疫について簡単に紹介し、免疫力アップと非常に関係が深い栄養素「亜鉛」について簡単に紹介いたします。
免疫(免疫系)について
免疫(めんえき)または免疫系とは、菌やウィルスなどの異物や、腫瘍などの体の中に発生した異常な細胞を取り除き、正常な状態に保とうとする体に備わっている防御機構のことを言います。
これらの免疫を担当するのが、「免疫細胞」と呼ばれる細胞たちです。免疫細胞は、造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)という血液の成分を作る細胞から、樹状細胞やマクロファージ、リンパ球など、機能ごとに様々な免疫細胞が作られます。
免疫系は、寝不足やストレス、偏食などのマイナス要因によって機能が低下し、十分な睡眠、リラックス、栄養バランスの良い食生活などのプラス要因によって機能が上昇するといわれています。
亜鉛について
「亜鉛(あえん)」と聞いて「鉛(なまり)」を想像する人もいるのではないでしょうか?
鉛(なまり)は体にとって有害な金属で、摂取すると中毒をおこしますが、亜鉛(あえん)は鉄やカルシウムなどと同じく体に必須の微量元素(=ミネラル)のひとつです。私たちの体には約2gの亜鉛が存在します。
亜鉛の1日摂取量は、年代や性別によって異なりますが、「日本人の食事摂取基準(2020年)」では、男性で11mg、女性で8mg以上の摂取が推奨されています。
亜鉛は、体内で働く様々な酵素(=体の中で起こる様々な化学反応を助ける、触媒の役目を果たす物質を言います)に必要な栄養素で、その中には免疫に関する酵素も含まれています。
亜鉛と免疫力の関係
亜鉛と免疫に関する研究は以前から行われており、亜鉛の不足によって免疫システムに異常が現れるという研究結果も多数報告されています。
例えば、亜鉛の摂取量が少ない場合、免疫細胞のひとつであるT細胞を作っている胸腺(きょうせん)という部位が委縮(いしゅく)し、体内のT細胞の数が減少したという研究報告や、免疫細胞のひとつであるリンパ球が減少したという研究報告などがあります。
最近では、新型コロナウイルスに関する臨床研究で、治療薬候補の薬(ヒドロキシクロロキンやアジスロマイシン)とともに亜鉛を投与した場合、亜鉛を投与しない人たちに比べ、ICUに入るほどの重症化を防いだり、入院期間が短縮されたという報告もあります。(ただし、この研究では「さらなる調査が必要である」とされています。)
また、亜鉛は加齢とともに体内の含有量が低下することが報告されていますので、お年寄りの方は免疫力をアップさせるためにも積極的に亜鉛を摂ることをお勧めいたします。
亜鉛を摂取して自宅で免疫力を上げよう!
免疫力をアップさせるには亜鉛を摂取することが大切です。
亜鉛は豚レバーや牡蠣、赤身の肉などに多く含まれており、牡蠣だと約100gで13mgの亜鉛を摂ることができるといわれています。ただし、食品からの亜鉛の吸収率は、文献によって差はありますが、約30%前後と呼ばれており、あまり高くはありません。
さらに亜鉛は、食物繊維やフィチン酸(米ぬかやトウモロコシなどに多く含まれています)によって吸収が妨げられますので、これらを含む食品を多くとっている場合、不足しがちになりますので注意が必要です。
まとめ
亜鉛は私たちの免疫系に非常に関係がある栄養素ですので、意識して摂取することで、様々な疾病の予防が期待できます。
亜鉛の摂取にはレバーや牡蠣などの食品からの摂取が望ましいですが、毎日10mg以上取るのは大変!という方はサプリメントなどから摂取することをお勧めいたします。
コロナウイルスや季節の変わり目で体調を崩しやすい今日を乗り切るため、積極的に亜鉛を摂って負けない体づくりをしましょう!