最近はコロナウイルスの影響でテレワークが積極的に推奨されており、いつもよりパソコンやスマートフォンを使う時間も増えているのではないでしょうか?
パソコンやスマートフォンなどを使った作業、いわゆるVDT作業(パソコン等のディスプレイを使用する作業)について、1日4時間以上作業を行っている人が50%以上、うち1日6時間以上作業を行っている人が25%以上もいるといわれています。
これらの作業を行う人が感じやすい悩みのひとつが 目が疲れる“眼精疲労”です。今回のブログではこの“眼精疲労”について簡単に説明し、疲れ目を感じている方にお勧めする栄養素などを紹介いたします。
目の疲れはどうして起こるのか?
目の疲れ、いわゆる“眼精疲労”が起こる原因は様々あるといわれておりますが、特にものを見るときにピントを合わせる役割をしている「毛様体」と呼ばれる部分が深くかかわってきます。
私たちが近くのものを見るとき、毛様体の筋肉が収縮し、水晶体(=レンズの働きをします)を膨らませて近くにピントを合わせています。逆に遠くを見るときは毛様体の筋肉が弛緩し、水晶体を縮ませて遠くにピントを合わせています。
例えば、スマートフォンやパソコン、テレビなどを長時間見続けたり、暗い場所で本を読んだりすると、目は常に近くにピントを合わせなければならず、毛様体は常に収縮した状態(=緊張した状態)になります。
毛様体の筋肉が緊張した状態が続くことにより、血流量の低下や筋肉の炎症が起こり、いわゆる“凝り”の状態が引き起こされます。この“毛様体筋の凝り” が目の疲れを引き起こす眼精疲労の原因の一つであると考えられています。
目が疲れるとどういったことが起こる?
目が疲れる=目のピント調節機能が低下することで、例えば霞み目や仮性近視(一過性の近視)などの症状が現れます。特に仮性近視は長時間持続することで近視が進行するという報告もありますので注意が必要です。
また、目が疲れることによって目の周りの神経や筋肉などにも影響がおよび、肩こりや頭痛、ひどい場合は吐き気など、目以外の場所に症状が現れる方もおられます。
ただの疲れ目と放っておかずに、きちんとケアをすることをお勧めいたします。
目の疲れをとる効果的な栄養素・食材とは?
疲れ目を治すためにはストレッチや点眼薬など、様々な方法がありますが、その場限りの対処療法であることが多く、根本的な治療にはなりません。
そこで今回は、日々の食事からとれる食材に含まれている栄養素で眼精疲労のケアが期待できるものをまとめてみました。
アントシアニン
アントシアニンはブルーベリーなどに含まれる紫色の色素で、数あるポリフェノールのうちのひとつです。目に良い成分と聞いて一番初めに思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
アントシアニンは目の網膜にある光を感じるたんぱく質(ロドプシン)の合成を促すことで疲れ目や夜間の視力を改善するのに役立つといわれています。
アントシアニンを多く含む食材として、ブルーベリー、カシス、ブドウなどの果実、ナスや紫キャベツなどの野菜があげられます。
アスタキサンチン
アスタキサンチンはサケやイクラなどに含まれる赤色の色素で、ニンジンに含まれるβ-カロテンやトマトに含まれるリコピンと同じカロテノイドの一種です。
上記のアントシアニンと同じく、自然界では紫外線などの有害な光から生体を保護したり、強い抗酸化作用により酸化ストレスから身を守るために使われています。最近では化粧品などでも利用されるようになっております。
特にアスタキサンチンは眼精疲労に対する作用に関して研究が進められており、アスタキサンチンを6mg、4週間摂取することで目のピント調節機能が改善したという臨床結果が報告されています。
アスタキサンチンを多く含む食材としてイクラ、サケ、マダイなどの魚、エビやカニなどの甲殻類があげられます。
ビタミンB群(ビタミンB12)
水溶性ビタミンのひとつであるビタミンBの中でも、特にビタミンB12のひとつであるシアノコバラミンは、眼精疲労の治療目的で点眼薬にも使用されています。
ビタミンB12は神経を保護する作用があり、目の神経の働きを改善してピント調節機能を維持するのに役立つといわれています。
ビタミンB12を多く含む食材として、牡蠣、アサリなどの貝類、牛レバーなどがあげられます。
まとめ
疲れ目の改善に効果が期待できるこれらの栄養素は、疲れ目を感じた時だけではなく、毎日摂取することで目の疲れを感じにくい体づくりをするのに役立ちます。毎日のように目の疲れを感じる方は意識的にこれらの食材をとるよう心がけましょう!
また、食事だけではこれらの栄養素を摂ることが困難な場合もありますので、サプリメントなどを併用することもオススメです。疲れ目対策をしっかりしてスッキリした毎日を過ごしましょう!