トランプ前米大統領が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院した時に、医療チームは【亜鉛】を治療サポートに使用したということがよく知られています。
また、昨年スペイン、バルセロナの大学病院入院患者のデータをもとに、「【亜鉛】不足で血清亜鉛値が低いCOVID-19患者は、生存率が低い」という発表が欧州の学会で行われました。(※医療情報サイト「Medscape」https://www.carenet.com/medscape/info.htmlによる)
万が一、コロナに感染してしまった時には「自分が【亜鉛】不足か?そうでないのか?」ということが、重症化するのか?軽快するのか?ということに深く関わってきそうです。
もう少し詳しく見てみましょう。
カラダの【亜鉛】が不足すると、免疫たんぱくの合成能力が低下する
【亜鉛】は、300種類以上の酵素やたんぱく質を作ったり、活性化することに関わっています。
これらの酵素やたんぱく質は細胞の代謝や成長、ホルモン作用、糖や脂肪の代謝、コラーゲンの合成の他、神経伝達や免疫機能などに欠かせません。
【亜鉛】が欠乏すると、子供では成長障害や皮膚炎が起こりますし、大人でも皮膚・粘膜・血球・肝臓などに異常が出て、味覚障害や臭覚障害が起こり、免疫たんぱくの合成能力が低下してしまいます
。(※「日本食品標準成分表2020版(八訂)文部科学省」https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.htmlより)
次に、実際に大阪の堺市立総合医療センターへ入院したコロナ患者のデータを見てみましょう。
コロナが軽症で済んだ患者と比べて、重症化患者は明らかに低亜鉛状態
2020年3月から5月に堺市立総合医療センターへ入院したコロナ患者62名が重症化した患者(A)と軽症・中等度であった患者(B)に仕分けされ、そのうち「血清亜鉛値の測定」ができた29名は(A)(B)どちらに含まれているかが調べられました。
その結果、29名の内訳は(A)重症化患者7名、(B)軽症・中等度患者22名でした。
そして、(A)重症化患者7名のうち、なんと6名が亜鉛欠乏状態で、亜鉛が足りている患者はたった1名のみということが分かりました。
(B)軽症・中等度患者22名については、大多数の19名が亜鉛が足りている状態であり、亜鉛欠乏状態の患者は3名に限られました。
明らかに、コロナ重症化患者は低亜鉛状態に陥っています。
6名の亜鉛欠乏状態の重症化患者は、コロナ感染前から亜鉛不足だったのか?コロナに感染したことによって亜鉛不足になったのか?は分かりませんが、「新型コロナウイルス感染症の重症化」と「カラダに亜鉛が足りているか、不足しているか」は密接な関係がありそうです。
(※亜鉛栄養治療 第11巻 第2号 2021、「血清亜鉛値とCOVID-19重症化との連関分析」から引用。血清亜鉛値70㎍/㎗未満を亜鉛欠乏状態と設定)
【亜鉛】不足は偏食や老化、薬の副作用から
【亜鉛】はカラダを作り機能させるうえで欠かすことのできない大切な栄養素です。
しかし、偏食や老化、毎日飲用している薬の副作用などで不足がちになります。
【亜鉛】を食べ物から摂取する場合、毎日いったいどれだけの量の、どういった食物を食べる必要があるのでしょうか?
1日あたりの【亜鉛】必要量は10mgと言われており、これは食物だと、生牡蠣4.6個分にあたります。
毎日、この量の牡蠣を食べることは、実際には無理がありそうですので、サプリメントのご利用をオススメいたします。
【亜鉛】は摂りすぎによる弊害が少なく、毎日100mg未満であれば問題ありません。
事実、「亜鉛不足による味覚障害」の方の中には、【亜鉛】を食品から吸収しにくいという方もいらっしゃって、そういう方の中には毎日【亜鉛】50~60 mg相当のサプリを飲用されている方もおられます。
毎日の健康は充分な【亜鉛】摂取から
万が一、新型コロナウイルス感染症にかかってしまったときに、いったい自分は重症化しやすいのか?、それとも軽症で済むのか?、という関心事と【亜鉛】という栄養分の関係について見てきました。
もちろん、コロナ重症化には生活習慣病などの既往症や様々な原因が関係していて、【亜鉛】不足という単一の原因に起するものではないでしょうが、カラダの免疫機能を充分に発揮させなければならないとき、【亜鉛】はとても重要な役割を担っているわけです。
生活習慣病などのために定期的にクリニックで受診されて血液検査を受けておられる方で、自分の免疫力に自信のない場合は、一度、お医者様にご相談されて、血清亜鉛濃度を測定されることをオススメいたします。
風邪を引きやすいなど、感染症に対する抵抗力のなさは、ひょっとして、亜鉛不足が原因かもしれません。
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