認知機能がおとろえると、日常生活のさまざまなことが難しくなってきます。
高齢化社会の日本では、2025年には約700万人、高齢者人口の5人に1人が認知症になると言われています。
認知症とは何か、認知症予防に関わる食品と栄養について紹介します。
4大認知症とは?
「認知症」とは病名ではなく、認知機能(理解したり、記憶したり、判断したりする力)が衰えて、生活することが難しくなることを言います。
認知機能の低下は、さまざまな原因で脳の神経細胞が壊れて減少することで起こります。
認知症の病気として4大認知症について紹介します。
アルツハイマー病 (アルツハイマー型認知症)
認知症の半数以上がこの病気です。
脳にアミロイドβというたんぱく質がたまり、脳の神経細胞が壊れたり死んでしまうことが原因です。
主な症状はもの忘れなどの記憶障害、段取りが立てられないなど判断能力の低下などがあります。
脳血管性認知症
脳梗塞や脳出血、脳動脈硬化などによって栄養や酸素が脳に行きわたらず、脳の一部の血管に異常が起こることで発症します。
記憶障害や言語障害や歩行障害も出やすいと言われています。
レビー小体型認知症
脳にレビー小体と呼ばれる異常なたんぱく質のかたまりができることで、神経細胞を傷つけ壊してしまうことが原因です。
症状としては実際には見えないものが見える「幻視」や睡眠障害、手足が震えるなど筋肉のこわばり(パーキンソン症状)などがあります。
前頭側頭型(ぜんとうそくとうがた)認知症
性格や言葉を司る、脳の部分が委縮することが原因です。
性格が変化してしまったり、言葉が理解できなくなることがあります。
認知機能に関わるおすすめ栄養
認知機能には「バランスの良い食事」がとっても良いとされています。
その中でも認知症にならないためにおすすめの栄養と食品を解説します!
〈たんぱく質を積極的に取りましょう〉
筋肉や内臓、皮膚や脳までたんぱく質が必要です。
私たちの体を作っている材料といってもいいほど、大切な栄養です。
◉おすすめ食材:鶏むね肉
摂れる栄養はイミダゾールペプチド(カルノシン・アンセリン)
鶏むね肉は人の脳や筋肉に多い「イミダゾールペプチド(カルノシン・アンセリン)」が多く含まれます。
もともと筋肉の疲労回復効果として有名になった栄養ですが、近年「脳」の血流や記憶機能の改善研究が多く行われている、注目の栄養素です。
健康を保つためには、「運動」「食事」「睡眠」が大切ですが、その「運動」「食事」にぴったりの栄養です。
◉おすすめ食材:青魚(アジ、イワシ、さば、さんまなど)
摂れる栄養はDHA、EPA
血液をサラサラにするDHAやEPAは脳に栄養と酸素を届けます。
とくにDHAは脳に必要な成分で、アルツハイマー病予防に有効という報告もあります。
〈塩分を控えるための工夫をしましょう〉
高血圧は「脳血管性認知症」の引き金になる可能性があります。
◉おすすめ食材:だし
日本人にかかわりの深い「だし」は塩の味を補う効果があります。
塩味が足りないかな?と感じたときは、だしを足すことがおすすめです。
◉おすすめ食材:ほうれん草、かぼちゃ、アボカド、バナナ
摂れる栄養はカリウム
体内の塩分を調節してくれるカリウムは、摂りすぎた塩分する栄養です。
〈間食や糖分の摂りすぎに注意しましょう〉
糖尿病はアルツハイマー病や脳血管性認知症のリスクを高めます。
甘いおやつや大盛りのごはんや麺類中心の炭水化物ばかりの食事は、血糖値を上げる原因にもなります。
◉おすすめ食材:ナッツ
摂れる栄養はオレイン酸
どうしても間食したい、という方にお勧めなのがナッツ類です。
オレイン酸という脳の神経細胞には欠かせない栄養素も入り、さらに噛むことで満足感が得られます。
あくまでも間食のため食べる量には気をつけてくださいね。
まとめ
いろいろな種類の食品を食べている人は、食べていない人に比べて
認知機能が低下しにくいという報告もあります。
認知症予防には、食生活が重要視されています。
毎日のバランスの良い食事を作るのが大変な方は、
市販のお総菜やお弁当、かんたんに取り入れられるサプリメントなども上手に活用してみてください。
日々の生活で無理せず栄養バランスを意識してみてくださいね。
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