皆さんは“油”と聞いてどのようなイメージを浮かべますか?
「肥満のもと・・・」や「血液ドロドロ・・・」など負のイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
確かに油=脂肪酸の摂りすぎは体に悪影響を及ぼすことがありますが、反対に私たちの体に良い作用をもたらす油があることを理解している方は多くないかと思われます。
そこで今回は、“良い油”のひとつ、シソ油に豊富に含まれているn-3系不飽和脂肪酸のα-リノレン酸の効果について簡単に説明いたします。
シソ油(α-リノレン酸)とは?
シソから油がとれるということを知らない人は多いのではないでしょうか?
シソ油は、食用だけではなく防水用の塗料として昔から日本で利用されてきた油のひとつです。
私たちがシソ油と呼ぶものの大半は、厳密にはシソ(=私たちがよく食べる青ジソや赤ジソ)から抽出した油ではなく、シソ科のエゴマの実から抽出された油で、エゴマ油ともいわれています。
シソ油は、その他の植物油と比較してn-3系不飽和脂肪酸のひとつ、α-リノレン酸の含有量が多いことが特徴です。
シソ油(α-リノレン酸)の効果とは?
シソ油に含まれるα-リノレン酸は、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)と同じn-3系不飽和脂肪酸と呼ばれる脂肪酸のひとつです。
n-3系不飽和脂肪酸は、私たちが体内で作り出すことができない栄養素であり、食品より摂取する必要があります。(=これを必須脂肪酸といいます。)
また、α-リノレン酸は体内に取り込まれた後、上記のEPAやDHAなど、他のn-3系不飽和脂肪酸に作り替えられるため、同じような効果が期待できます。
α-リノレン酸を含むn-3系不飽和脂肪酸の主な作用として、
・抗アレルギー作用
α-リノレン酸を含むn-3系脂肪酸は、炎症やアレルギーのもととなる物質の生成を抑え、抗炎症作用や抗アレルギー作用を示すという報告があります。
・心臓の健康を保つ作用(心臓血管疾患の予防)
α-リノレン酸を含むn-3系不飽和脂肪酸は、毎日摂り続けることで心筋梗塞や冠動脈疾患などのリスクを下げることができるという研究が多数報告されています。
・脂質異常症の予防
油なのに脂質異常の予防?と思う方がおられるかもしれませんが、α-リノレン酸を含むn-3系不飽和脂肪酸には血中のコレステロールやTG(トリグリセライド)を下げる作用があり、EPAは実際に治療薬としても利用されています。
健康診断で数値が引っ掛かった!という方はαリノレン酸を含むn-3系不飽和脂肪酸をしっかりと摂ってみましょう!
などがあげられます。
おすすめのシソ油(α-リノレン酸)の摂り方とは?
α-リノレン酸を含むn-3系不飽和脂肪酸は、厚生労働省が公表する「日本の食事摂取基準(2020版)」において、成人男性では1日当たり約2g、成人女性では1日当たり訳1.6gの摂取が目安量とされています。
α-リノレン酸は、その他の油に比べて熱や空気に弱く、すぐに酸化されてしまうため、揚げ物や炒め物など熱をかける調理法に用いることができません。
そのため、ドレッシングとして、野菜や食事にそのままかけて食べる方法がおすすめです。
また、1日2gのシソ油をドレッシングで取るのは大変!という方は、サプリメントなどで補給することも手軽でおすすめです。
シソ油(α-リノレン酸)のまとめ
シソ油(α-リノレン酸)はほかの油と比べて熱をかけることができず、摂ることが難しい油ですが、その分、他の油と比較して良い作用がたくさんあります。
健康のためにもドレッシングやサプリメントなどでシソ油を積極的に摂るようにしましょう!!
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